初夏、炎天下の木道、湿原を渡る涼風がシャツの汗を乾かす。眼前に広がる雄大な景観に思わず立ち止まり、神聖な空間の薫風を味わう。
霊峰月山の八合目に位置する「弥陀ヶ原湿原」は、神様が御田植えをされた御田原ともいわれる。
稲の苗のようなスゲ類の様子が田んぼを思わせる池塘が点在し、阿弥陀如来が祀られる出羽三山修験道の聖域でもある。
夏、6月下旬～8月が花の見頃で、キンコウカ、ニッコウキスゲ、オコゼコウホネなど130種類以上の高山植物を見ることができる。
秋、9月下旬～10月には、湿原一帯が草紅葉となり黄金色に染まる。カエデやナナカマドなどの低木類の紅葉も同時期に楽しむことができる。

夏、広大な湿原が高山植物群に覆われる

キンコウカ（金光花）。湿原を金色に輝かせる

ニッコウキスゲ（日光黄萓）。朝咲いて夕方にはしぼむ一日花

オゼコウホネ（尾瀬河骨）。
尾瀬、月山、北海道猿払原野にのみ分布する希少な水草

稲の苗のように生育するスゲ類

秋、草紅葉が広がる弥陀ヶ原に朝日が昇る

朝日を浴び黄金に輝く草紅葉

カエデやナナカマドなどの低木類の紅葉

弥陀ヶ原の向こうに雲海に浮かぶ鳥海山を望む