写真提供:cherry cafe chouchou ※情報や価格は2021年4月1日現在のものです
山形市より北へ国道112号沿いにある「道の駅 寒河江」。北に寒河江川、西に月山・大朝日岳・葉山の名峰を有し、雄大な自然に囲まれた山形県でも人気を誇る観光スポット。東北でも最大級の規模を誇る道の駅は、「チェリーランド」の愛称でもおなじみですね。その西側にある軽食コーナーにカフェコーナーを拡大し、cherry cafe chouchou【チェリーカフェ・シュシュ】としてオープン。どのように生まれ変わったのか、山形会議が取材をしてきました。
あなたの「お気に入りの空間」になってほしい
ゆったりとしたソファ席。“道の駅”の概念を覆されるほど洗練された空間。「こごってチェリーランドなんだっけが?」と(失礼ながら)思わず声がもれちゃいました
寒河江とチェリーランドの魅力であるさくらんぼがモチーフのロゴ。お店の名前は、スタッフさんたちでアイデアをたくさん出し合って決めたそう
「店名にある“chouchou”とは、フランス語で“お気に入り”という意味です。たくさんの人のお気に入りの場所になってほしいという思いで名付けました」と話してくれたのは、お店を切り盛りする熊谷さんです。
「心地のよい空間であることはもちろんですが、チェリーランドにあるカフェだけあってメニューにこそ、特にこだわっています。山形県産のさくらんぼをメインに旬のフルーツをふんだんに使用したスイーツをご提供。合わせてコーヒーの豆とマシンも厳選しました。ここでしか味わえないものをゆっくりと堪能してほしいです」。
熊谷さんは寒河江市出身。「さがえSA」のベーカリーの立ち上げ経験もあり、キャリアも豊富。お店を切り盛りしながらプライベートでは、子育てにも奮闘中
数量限定の「さくらんぼのフルーツサンド」(写真手前)は税込500円。できたてを一番おいしい状態で食べてほしいとの思いから、イートインのみの提供とのこと。旬のフルーツサンドも順次提供予定。足を運ぶたび、さまざまなフレーバーに出会えるかも?(写真提供:cherry cafe chouchou)
希少価値が高いインドネシア産アラビカ種のトアルコトラジャを使用したコーヒー。ハンドドリップのような味わいを再現するといわれるマシンで抽出し、豊かな香りと上品でやわらかな甘みが特徴です。スイーツとも相性抜群
「さくらんぼソフトクリーム」(税込350円)は、山形県産さくらんぼの果汁を使用したというchouchouオリジナル。さわやかなフレーバーと、みずみずしい甘みと酸味が口いっぱいに広がった瞬間、思わずにっこり。こちらはテイクアウトも可能です
さくらんぼパフェ(税込1,500円)。通年さくらんぼを楽しめるようにと、地元企業が開発した冷凍の山形県産さくらんぼをトッピング。佐藤錦の酸味と甘みの両方がしっかりと味わえます。オリジナルのクリーム、さくらんぼソフトクリーム、チョコクリスピーのほかにも、グラスの底にはヒアルロン酸配合のジュレが♡
「道の駅」のイメージからの脱却。チェリーランドのリブランディング
cherry cafe chouchouは道の駅と同じ、株式会社チェリーランドさがえが運営。今回カフェをオープンするにあたり、トップダウンではなく現場に任せようというボトムアップでプロジェクトをスタート。メニューだけでなく、ユニフォームやマドラーまで熊谷さんをはじめ現場スタッフのみなさんで決めたといいます。現場に決定権を与えるという大英断は、現場自らが決めることで楽しんでほしいという思いと、お客さまのご要望をダイレクトに受けとったスタッフたちがオープン後も工夫していくことで、“より、お客さまの快適な空間へ”というスピード感も生まれることになります。
カフェのスタッフのみならず、施工会社さんとともに“チーム”としてタッグを組み、運営していくという新しい試みです
毎日でも足を運んでもらえるような場所に
リニューアルは数年前から始まった、寒河江市のチェリーランド再整備計画にも起因しているといいます。
「今までのように観光拠点としての交流人口の拡大の場としてはもちろん、今後さらに“市民の憩いの場”として機能拡充を図るという事業の一環として再生する動きの中、コロナ禍での観光客減少も重なったかたちです。“誰かのお気に入りの場所”になってほしい、というのは観光客の方だけでなく、地域の方にも来てほしいという思いがあります。地元の学生たちが自転車でふらっと来て宿題をしていったり、ソフトクリームを食べてSNSにお洒落にアップしてくれたり。電車に乗らなくても身近な“ちょっとお洒落”を味わってほしいんです。ほかにも、カフェにお子さま連れで行きづらいと思っていたママたちも、道の駅にあるなら入りやすいはずなんじゃないかなって。もちろん今まで来ていただいていたご年配の方々にも、ここでゆっくりとコーヒーを飲んでほしいですしね」と、前を見つめる熊谷さんの笑顔がとても印象的でした。
「もっと先の話になると思いますが、保護者会の打ち上げとか夜の貸切などにも対応していけたら。そこまでできたら、きっと“すべての方のお気に入りの場所”としても幅が広がると思うんです」と熊谷さん ※撮影中のみマスクを外していただいております
今まで同様、そば・うどんコーナーも併設されています。ご家族それぞれ好きなものをオーダーし、一緒に食べられるというのも魅力
フリーwi-fi完備、ひとり席にはコンセントもあり、学生やビジネスパーソンにもうれしい空間に。感染症予防対策として店内の換気はもちろん、光触媒コーティングを施したり空気清浄機やオゾン製造器も設置。席間も充分にとられていることも安心です
「グラデーションドリンク」(税込350円)。「会社側はノータッチ」というカフェのインスタグラムでスタッフさんたちが新メニューなどを自由に発信していくそう(写真提供:cherry cafe chouchou Instagram)
YouTubeチャンネルを開設したり、ストリートピアノが設置されたりと新しい試みが盛りだくさんのチェリーランド。再整備計画には屋内型子ども遊戯施設の建設も数年後に予定しているとのことで、ますます身近になりそう。
早く県外の方にも紹介したいお店ですが、私たちにとっては、地元の魅力を再発見できるマイクロツーリズムにぴったりのスポット。あなたもcherry cafe chouchouでお気に入りの過ごし方を見つけてみませんか。
※取材時点の情報です。地域の感染症対策に基づき、おでかけください。