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2021.12.24

ガスは暮らしを支えるエネルギー。安全で安心できる快適な毎日を

山形ガス株式会社 代表取締役社長 鈴木俊伸さん


球形ガスホルダー前で。「電車に乗っていると、この緑の丸い球体が見えるでしょう。これは球形ガスホルダーと言って中に天然ガスが入っているんですよ」と代表取締役社長の鈴木俊伸さん ※撮影時はマスクを外していただいています

球形ガスホルダー前で。「電車に乗っていると、この緑の丸い球体が見えるでしょう。これは球形ガスホルダーと言って中に天然ガスが入っているんですよ」と代表取締役社長の鈴木俊伸さん
※撮影時はマスクを外していただいています

私たちの生活を支えるエネルギーの一つ「ガス」。ガスには都市ガスとプロパンガスの2種類があり、それぞれ違った特性を持っています。この2つのガスを扱う総合エネルギー会社として2020年4月に新たなスタートを切った山形ガス株式会社(以下、山形ガス)。今回は代表取締役の鈴木俊伸さんにガスの特性や可能性、会社としての取り組みやこれからの目標などについて伺いました。

4つの“いいね”のクリーンエネルギー

住宅を賃貸、建築する際にライフラインを何にするかは悩むところ。様々な選択肢の中には都市ガスもありますが、都市ガスとは一体どんなもので、どんな特徴があるのでしょうか。「都市ガスはメタンを主な成分とした天然ガスです。特徴として素晴らしい点が4つあるんですよ」と鈴木さん。
「1つ目は“経済性”。都市ガスは石油系燃料などに比べて安価ですので、とても経済的です。最近では、都市ガスを使って電気を起こしたり熱を発生させたりと、2つのエネルギーを同時に生産し供給するコージェネレーション(熱電併給)という多目的に利用できるシステムもあります。」

「2つ目は“安全性”。天然ガスには一酸化炭素をはじめとする不純物がほとんど入っておりません。また、輸入先から日本に運ぶ際には液状のものを船で運び、日本の港に着いてから海水をかけたりし、温度を上げて体積を数百倍という気体にします。この段階で不純物を除去できるんですよ。それをパイプラインで山形まで運ぶんです。」
この安全性をさらに後押しするポイントが、各家庭にガスを運ぶ導管は一定の面積でブロック制にしていること。万が一事故などがあった場合には、対象ブロックのガス管のみを止めて他のブロックには影響しない仕組み作りになっているそうで、ブロックの数を多く設定しているため、安心して使用することができます。

「昔の導管は金属製で耐久年数は約20〜30年くらいでしたが、最近は半永久的に腐食しないポリエチレン管への代替を進めています」と鈴木さん。安全で快適に過ごせる暮らしを守るべく、日々努力されています

「昔の導管は金属製で耐久年数は約20〜30年くらいでしたが、最近は半永久的に腐食しないポリエチレン管への代替を進めています」と鈴木さん。安全で快適に過ごせる暮らしを守るべく、日々努力されています

「3つ目は“安定性”。天然ガスは石油や石炭と比べても地球全体に埋蔵量がはるかに多い。輸入先がアジアやオセアニア、またアメリカなので政情も安定していますし、そういった面では価格の大きな変動がない安定した供給ができるということが言えます。」

「最後に“環境性”。今は環境に関することが大きな問題となっており、脱炭素などの動きがありますよね。天然ガスは石油や石炭に比べて燃焼時のCO2発生が極端に少なく、さらに硫黄酸化物という非常に有害な酸化物も排出量がゼロ。ですから、地球環境に貢献しているクリーンエネルギーだと思っています。」
これらの4つの特徴は、まさに今の時代にマッチしたエネルギーだと言えそうです。

最新機種の展示や料理教室まで。幅広く利用できるショールーム

山形ガスの創立は1911年(明治44年)3月6日。今年で110年目を迎えました。節目である100周年の2011年には、記念事業の一つとしてショールーム「やまがたウィズガス未来館 白山の森」を開設。この施設では、各メーカーの最新機器を陳列したショールームに料理教室のスペースが併設されています。

「リフォーム事業も行っているので、ショールームにはガス機器のみならず浴室やトイレなど水回り関係の機器も揃えています。料理教室はコロナの関係で1年半ほど休んでいますが、月に3回水曜日に開催し、2011年8月から数えて226回にもなりました。講師は山形市内の有名ホテルの総料理長や、料亭の料理人の方、それから山形市内でイタリア料理の料理教室を主宰されている先生などにお願いしております」と鈴木さん。料理教室を始めた目的をお聞きしたところ、「ガスと最新のガス機器を利用して料理を作ることの楽しさを知ってもらいたいと思いました。また、調理後にみんなで楽しく食べて、お土産用にも持ち帰ってもらい、ご家族皆さんで美味しさを楽しんでいただくこと。その中でガスの素晴らしさを知ってもらうことが目的ですね」と笑顔で答えてくださいました。
料理教室はとても評判が良く、女性のみならず男性からも応募があるそう。また、リピートする方も大勢おり、利用者は開設から現在まで3,342名にものぼります。

機器展示ショールーム内の一角。「最新のガスビルトインコンロは、スマホアプリと連動していたり、ガイド機能が搭載されていて音声ガイダンスが流れたりします」と鈴木さん。最新機能を体験しにショールームを訪れてみてはいかが

機器展示ショールーム内の一角。「最新のガスビルトインコンロは、スマホアプリと連動していたり、ガイド機能が搭載されていて音声ガイダンスが流れたりします」と鈴木さん。最新機能を体験しにショールームを訪れてみてはいかが

料理教室の様子(写真提供:山形ガス)(写真左)。料理教室のスペース(写真右)。一つのビルトインコンロに4名、最大16名での料理教室ができるそう。また、レンタルスペースとしても貸し出しているので、自分で料理教室を開催したい時や、大勢で料理をしたい時には予約して借りてみるのもおすすめ

料理教室の様子(写真提供:山形ガス)(写真左)。料理教室のスペース(写真右)。一つのビルトインコンロに4名、最大16名での料理教室ができるそう。また、レンタルスペースとしても貸し出しているので、自分で料理教室を開催したい時や、大勢で料理をしたい時には予約して借りてみるのもおすすめ

炊飯用土鍋「かまどさん」で有名な長谷園の調理機器も展示販売。県内随一の品揃えで、こちらを目当てに来店されるお客さまもいらっしゃるそう

炊飯用土鍋「かまどさん」で有名な長谷園の調理機器も展示販売。県内随一の品揃えで、こちらを目当てに来店されるお客さまもいらっしゃるそう

考え、挑戦し、成長し続ける会社としてこれからも

「2020年4月に山形ガスと山形ガス燃料株式会社が合併して総合エネルギー会社としてスタートし、新たな経営理念と考動指針を制定しました。経営理念の“暖かさ、美味しさ、豊かさを求め、明るい社会を実現します”には山形ガスの成長性、合併によって広がった業務領域の中での戦略と戦術を連想させ、なおかつ社会への貢献を目指しますという会社の方針です。それと同時に3つの指針、そして8つの項目からなる“考えて動く”考動指針を作りました。」

「1つ目の指針である考動は、社会・会社のルールの下で明るく前向きに考動、安全安心を基本に考動、お客さまを起点に考動、スピードを意識して考動、自己責任達成のため熱意を持って考動するというお約束です。2つ目は基本を遵守し改革に挑むこと、相手の立場を理解し組織力を発揮することへの挑戦。そして3つ目は自己研鑽に努めて仲間とともに成長し、これに基づいて動くことです。この考動指針というのは経営理念を達成するための社員の考動を明確にしたものであって、具体的に分かりやすい言葉で説明しました」と鈴木さんは新たなスタートを切った山形ガスのビジョンを力強く語ります。

この指針に基づき新たなサービスとして、ガス料金の見直しや、プロパンガスから料金の安い都市ガスへの切り替えの推奨、灯油を使うお客さまへは都市ガスとのセット料金も設定。また、nanacoやWAONなど日々の買い物により身近なポイントに交換できるポイント制も導入し、お客さまに大好評だと言います。その他にもリフォーム事業を拡大するなど総合エネルギー企業として、さまざまな取り組みを積極的に手がけています。

「”お客様に安心と安全をお届けし、皆さんにとってなくてはならない企業であり続け、選ばれる企業になりましょう“が私の口癖。常日頃から社員に言っています」とお客様を第一に考える鈴木さん

「”お客様に安心と安全をお届けし、皆さんにとってなくてはならない企業であり続け、選ばれる企業になりましょう“が私の口癖。常日頃から社員に言っています」とお客様を第一に考える鈴木さん

若い力で作っていこう、山形ガスの新しい未来

「世の中の変化に対応していくための組織づくりの一環として、次の世代を担う幹部社員を育成しようと30〜40代の若手社員を中心とした次世代リーダー育成プログラムをスタートさせました」と鈴木さん。
メンバーに選ばれた8名には山形ガスの10年後のビジョンを作成してもらい、役員と対話していくプログラムを実践。メンバーとの話し合いを通じて、これからの山形ガスの新しい姿をつくっていこうとしています。

2021年12月14日に行われた次世代リーダー育成プログラム最終報告会。今まで勉強した内容と、10年後ビジョンのあり方を役員、幹部社員の前で発表しました(写真提供:山形ガス)

2021年12月14日に行われた次世代リーダー育成プログラム最終報告会。今まで勉強した内容と、10年後ビジョンのあり方を役員、幹部社員の前で発表しました(写真提供:山形ガス)

「山形ガスは創業から100年を超えていますが、過去の歴史や伝統にこだわらず、どんどん変わっていってほしいと思っています。そういう意味ではこれから8人の成長が楽しみです。それぞれ個性があるからいいですね」と目を細めながら8人の今後の成長に期待を寄せる鈴木さん。

社屋の入り口にある、山形ガスのシンボルとも言えるガス灯。毎日夕方になるとその灯りは優しく暖かく周囲を照らしてくれます。100年以上続く老舗企業の灯りを引き継ぎながらも、社会をより豊かに明るくする新しい灯りをつくる企業としてこれからも目が離せません。

プロフィール
山形ガス株式会社 代表取締役社長 鈴木俊伸さん

1950年山形市で生まれる。山形県立山形東高等学校から慶應義塾大学経済学部へ進み、卒業後、株式会社 山形銀行に入行。国際部長、東京支店長、取締役営業統括部長などを務め、2008年常務取締役本店営業部長に。その後、やまぎんカードサービス株式会社の代表取締役社長を経て、2016年3月から山形ガス株式会社の代表取締役社長に就任。山形県都市ガス協会会長、東北ガス事業協同組合副理事長、日本ガス協会東北部会幹事、日本ガス協会地方委員のほか、山形市内埋設物連絡協議会会長なども務める。

山形ガス株式会社

山形県山形市白山三丁目1番31号

https://yamagatagas.co.jp/
山形ガス株式会社

勝負メシ 鈴木さんおすすめのガスを使った料理

「ガスは高火力なので野菜炒めなどはとても美味しく出来上がるのは皆さん想像がつくと思いますが、私がおすすめするのは焼きおにぎりです。
作り方は、1.あったかいご飯に麺つゆと鰹節を入れてよくかき混ぜ、小さく握って両面にごま油を塗ります。2.ごま油で熱したフライパンにおにぎりを入れて蓋をします。3.しっかり焦げ目をつけるために片面8分から9分ぐらい焼きます。ごま油なので焼き目はついても焦げはしません。両面で20分位焼いて出来上がり。非常に簡単ですよ。小さく握るのがポイントですね」

焼きおにぎり

この記事を書いた人
たいこかいぎさん

たいこかいぎさん
Profile 山形会議キュレーター。上山市出身。お酒を愛するアマチュア打楽器奏者。広い人脈により、さまざまな調査能力に長けており、情報が早い。敬意を込め周囲は「記者」と呼ぶ。
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