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2021.01.20自ら足を運び、地域の魅力を全国へ伝える―きてけろくんが見た山形
山形県DC推進監 きてけろくん
米どころ庄内にて。田んぼに映る逆さ鳥海山が美しい(画像提供:山形県観光立県推進課)
山形県のカタチによく似た横顔に、さくらんぼのブローチのついた麦わら帽子、“ペロリン”マークのついた“おいしい山形”がぎっしりと詰まった旅行かばんを携えた姿が特徴的なあの人。そうです、観光PRで山形各地を周遊している“きてけろくん”です。山形会議では、きてけろくんに山形の魅力についてお話を伺いました。
取材日は雪模様。そんな中、きてけろくんに藤庄印刷・蔵王の森工場まで足を運んでいただきました
“山形の顔”として、県をPRする活動
山形弁で“来てください”の意味の名前のきてけろくんは、2013年に山形県知事より山形県おもてなし係長に任命され、2014年の『山形デスティネーションキャンペーン』の広報として活動しました。その後、山形県おもてなし課長へと昇任し、そして2020年に現職の山形県DC推進監に着任しました。
山形県DC推進監のきてけろくん(写真右)と山形県観光文化スポーツ部 観光立県推進課の安達元輝さん(写真・中央)。同じ課に勤務する2人は取材中も息がぴったり ※撮影時のみマスクを外していただいております
現在の活動についてきてけろくんに伺ってみると、やはりコロナ禍においてPR方法に変化があるようです。自粛生活等を機に、以前よりもインターネットを閲覧する機会が増えたと感じている方も多いはず。そんな中、多くの人に山形の魅力を知ってもらおうと、各SNSにおいて、情報発信に力を入れているといいます。
「今はイベントが中止になることが多いっけの(多いんだよ)。それでも山形にはたくさんの魅力あふれる観光地が多いから、少しでもみんなに見せたくて、足を運んではInstagramやYouTubeなどのSNSにアップして山形をPRしているよ♪」ときてけろくん。コロナ禍の今、できるだけたくさんの人に山形の季節の移ろいを伝えたいと語る、まっすぐな姿が印象的です。
2020年12月に行われたイベント『銀山温泉 千年廻廊』をPRすべく銀山温泉を訪れたきてけろくん。寒くなかったかの問いに「雪まみれで寒かったけど、ずっとワクワクだっけの!」ときてけろくん。ライトアップされた風景で撮影した後は温泉に浸かり、身体の芯まで温まったそう(画像提供:山形県観光立県推進課)
きてけろくんに聞く、山形魅力の観光スポット
「山形のいろんなところにお出かけしったっけ(したんだけど)、どこもみんなステキなんだよ~。どこがいちばんは決められないくらい、どこもおもしゃいんだず~(面白いんだよ~)」ときてけろくん。その中でもきてけろくんイチオシの観光スポットを教えていただきました。
村山地域
・蔵王
蔵王ロープウェイで紅葉を眺めるきてけろくん(画像提供:山形県観光立県推進課)
蔵王の樹氷群(画像:YAMAGATA IMAGES / MAN CREATE)
山形を代表する観光スポットのひとつ、蔵王では四季折々の表情が楽しめます。特に“スノーモンスター”といわれる樹氷は、樹種や気候などの条件がそろう一部地域でしか見ることができず、世界的にも珍しいもの。「日中は壮大な樹氷原、夜にはライトアップされた幻想的な樹氷を見ることができるんだず!(できるんだよ)」ときてけろくんも太鼓判を押します。
最上地域
・最上川舟下り
最上川舟下り(画像提供:最上総合支庁観光振興室)
松尾芭蕉の句でも知られる最上川。雄大な自然に囲まれながら楽しめる最上川舟下りの魅力は季節ごとにまったく異なる絶景を見せてくれることです。「圧巻の風景に船頭さんが唄う最上川舟唄を合わせれば、ここでしか味わえない優雅な時間が流れるんだよ♪」と、きてけろくんもかなりお気に入りの様子です。
・新庄ふるさと歴史センター
新庄ふるさと歴史センター(画像提供:最上総合支庁観光振興室)
祭り、歴史、民俗の3つの視点から新庄を紹介している新庄ふるさと歴史センター。ここには新庄市出身の人間国宝の鍛金家 奥山峰石氏と近岡善次郎氏の作品と、ユネスコ無形文化遺産である新庄まつりで運行された優秀山車2台が展示されています。本センターでは民話語りの実演を日曜日の13時~15時に行っており(12月・1月のみ実演はお休み)、軽妙な昔語りも楽しみのひとつ。
新庄ふるさとセンターの詳細はこちらをクリック
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置賜地域
・山形鉄道フラワー長井線
『置賜さくら回廊』をはじめとして四季折々の花々を楽しめる置賜地域。各地に点在する花の名所を結ぶ路線が『山形鉄道フラワー長井線』です。全国的にも珍しい市役所と駅が一体となった長井駅の新しい駅舎は2021年5月に開業予定とのこと。きてけろくんによると、今後これを記念した特別列車の運行や開業イベントの実施を予定しているそうです。
桜満開の線路沿いを走るフラワー長井線(画像提供:置賜総合支庁観光振興室)
南陽市、川西町、長井市、白鷹町を結ぶローカル鉄道。沿線には古典桜・あやめ・ダリア・ゆり・バラ・紅花などの花の名所が点在しています(画像提供:山形県観光立県推進課)
・上杉神社
武将隊ツアー「伊達家ゆかりの地を巡る旅」の様子。「山形と宮城ゆかりの武将たちと一緒におもてなししたんだず~!みんな喜んでくれたかな~」ときてけろくん(画像提供:山形県観光立県推進課)
米沢は江戸時代に上杉氏が治めた地として知られていますが、戦国時代は伊達氏の本拠地となり“独眼竜”として天下にその名を轟かせた伊達政宗生誕の地でもあります。置賜全域には、その時代の家臣団の城館跡が多数残っているといいます。
庄内地域
・日本遺産、精神文化
山居倉庫を散策するきてけろくん(画像提供:山形県観光立県推進課)
羽黒山(出羽三山)の石段(画像:YAMAGATA IMAGES / MAN CREATE)
北前船交易で栄えた酒田市の料亭文化や、鶴岡市に残る城下町文化など歴史情緒あふれる文化が今に受け継がれている庄内地域。それらの歴史的な魅力は日本遺産として認められ、本県4つの日本遺産のうち、3つが庄内に関連していることからも魅力が伺えます。古くは、“西の伊勢参り”に対して“東の奥参り”と称されたほど、人々の信仰を集める出羽三山は庄内の精神文化の中心地となっています。羽黒山の杉並木はミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星と評価されました。
山形県内の観光地の画像や動画は、きてけろくんSNSでほぼ毎日投稿されています(画像:きてけろくんInstagramより)
「まだまだ紹介しきれない山形の魅力は、ぼくのSNSを見てチェックしてけろな♪(くださいね)」とのことですので、きてけろくんのSNSをみなさんもぜひのぞいてみてださいね。
きてけろくんのこれからの活動
2021年4月1日から9月30日の6か月間、東北6県とJRグループ6社が一体となって行う『東北デスティネーションキャンペーン』(以下『東北DC』)が開幕します。きてけろくんは山形県のPRの中心的な存在として、東北DCに向けて山形をPRしようと意気込んでいます。
「震災から10年という節目に開催するこのキャンペーン。各県が力を合わせて東北の魅力を国内外へ発信することで、さらに東北観光のブランド化を推進していきます。この機会に多くの方が東北の魅力に触れ、今後東北へ観光のために足を運んでもらえるよう、そして復興に向けて歩む姿を見ていただきたいと考えています」と語るのは、山形県観光文化スポーツ部 観光立県推進課の安達さん。2人は二人三脚で今回の東北DCに向けて山形の魅力を発信しています。
また、観光PR以外でも『新型コロナウイルス予防の手引き』の冊子や、新しい生活様式やモンテディオ山形と協力した新しい観戦マナーに関する動画なども発信。観光以外でも“山形県の顔”としてさまざまな分野で活動の幅を広げています。
山形県で制作したマスクをつけたきてけろくんが表紙の『新型コロナウイルス予防の手引き』。観光PR以外でも山形県を牽引しています。
「ぼくのキャリーバッグには、山形の農産物や海産物など、おいしいものがいっぱい詰まっているんだよ~」。季節によって麦わら帽子に付いているフルーツも変化し、おしゃれを楽しむきてけろくん
山形県産のおいしさと安全・安心をPRするペロリンの刺繍が施されたキャリーバッグ。ペロリンと2人で一緒にイベントに参加することもあるといいます。それぞれの分野で連携し合い、山形県の良さを全国のみなさんへPRしています
カメラスタジオで撮影を受けるきてけろくん。“山形県の顔”として、広報活動に従事するおもてなしのプロだけに、ポーズもばっちり決まっています
最後に、山形会議の読者のみなさんにメッセージをいただきました。
「これからもコロナウイルスの状況を考慮しながら、みなさんに“山形へ行きたい”と思ってもらえるように山形の魅力を発信していくよ♪ みんなでウィズコロナの時代を一緒に乗り越えようね!」
こんな時だからこそ、私たちは山形県内に目を向け、山形県の魅力を再発見できる機会かもしれません。そして笑顔の秘訣を伺うと、皆さんに山形へ来ていただきたい、山形を楽しんでいただきたいという思いから自然と笑顔になるという言葉が返ってきました。きてけろくんが発信している山形の魅力、そして笑顔のおもてなし。私たちが日常の中でその2つを県外の人にも伝えられるよう、きてけろくんの活動を通して教えてもらいたいものです。これからもきてけろくんの活躍に期待したいですね。
「山形は食べものがおいしくて、観光地もほかにない魅力がいっぱい。山形に遊びにきた人も笑顔になるように、ぼくも笑顔なんだ~」と、笑顔で語るきてけろくん
プロフィール 山形県DC推進監 きてけろくん
2013年5月22日に山形県おもてなし係長に就任。翌年の『山形デスティネーションキャンペーン』では山形の観光地の振興のため広報活動に携わる。2015年に山形県おもてなし課長、2020年には現職である山形県DC推進監へと昇任。2021年の『東北デスティネーションキャンペーン』でもその手腕が期待されている。
やまがたへの旅サイトがリニューアル
山形県観光情報ポータルサイトがリニューアル。これまで以上に、旬な山形の情報をリアルタイムにお届けします。 https://yamagatakanko.com/
TOHOKUサポーター“Welcome to TOHOKU隊”募集中!
『東北デスティネーションキャンペーン』を盛り上げるべく、「TOHOKUサポーター」として取り組んでくれる仲間を募集しています。東北内外、企業団体・個人の方問わず、どなたでもお申込みいただけます。みんなで東北を盛り上げていきましょう。 https://dc.tohokukanko.jp/dc-welcome/
やまがた冬のあった回廊キャンペーン
置賜地域と上山市では、毎年12月から3月末まで「やまがた冬のあった回廊キャンペーン」を開催。厳しい寒さの冬だからこそ、ここでしか楽しめない特別な体験ができます。温泉であたたまり、美食と美酒に舌つづみ。寒い冬に可憐に咲く啓翁桜や雪の中で揺れる灯りで心も癒されます。 http://attakairou.oki-tama.jp/