四季彩に染まる「宝珠山立石寺(山寺)」
(山形市)

厳冬期の早暁。ヘッドライトの明かりを頼りに1,015段の石段を奥之院へ向かう。積雪が凍てつく石段を登るには軽アイゼンなどの装備が必要だ。
極寒に堪えながら、ご来光を待つ。やがて山陰から登る朝陽が納経堂を照らし、名刹随一の冬の絶景を創出する。
宝珠山立石寺。通称「山寺」は、 天台座主第三世慈覚大師円仁によって建立された山形県屈指の名刹だ。
奇岩怪石からなる山全体が修行と信仰の場になっており、登山口から奥之院までの道程や周辺彼処で風光絶佳にめぐり逢うことができる。
冬は、水墨画を思わせる深遠に広がる雪景。春は、桜並木から望む古刹群。夏は、俳聖・松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の名句を詠んだ静謐な奇岩と深緑。
秋は、紅葉に覆われる錦の山並。と四季折々の絶景を楽しむことができる。