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2024.10.10誰も取り残さない クルマを通した山形のSDGs
株式会社カーサービス山形代表取締役小川大輔さん
今年2月に月々定額オートリース専門店としてオープンした山形嶋店
山形市をはじめ村山・庄内地域に9店舗を構える株式会社カーサービス山形(カーサービス山形)は今年、創業45周年。「にこっと車検」「にこっと乗るだけ7」などクルマを軸としたさまざまなサービス・商品を展開する同社の代表取締役・小川大輔さんに、商品展開の狙いや同社の強みについて、お話を聞いてきました。
地域密着の中古車店 「クルマ選びの終着駅」が生まれるまで
カーサービス山形は1980年、山形市南原町で創業。それは業者販売店として、中古車の展示スペースと整備工場をあわせて300坪ほどのからのスタートでした。その後、小売への業態転換を図りながら、1985年には現在の本社山形店を山形市上山家町にオープン。山形県民なら誰もが一度は見たり聞いたりしたことのある「クルマ選びの終着駅」というキャッチコピーはこのころから継続して使われており、今では同社をあらわすアイデンティティのようになっています。
「本社山形店を開設したときは、時代がモータリゼーションの真っただ中です。つまりクルマはどんどん売れた時代でしたから、より多くの在庫車を取り揃えようということで、県内では最大級の店舗になりました。キャッチコピーに合わせて、店舗も三角屋根の駅舎を模したものになっていますね。今でも品ぞろえの豊富さは大切にしていますが、実は私は『カーライフの始発駅』と言った方が今の当社に合っている気がしています」
オープン当時の本社山形店と、2004年に過去最高の月間販売台数を記録した際の先代社長・小川文男氏
小川さんは2004年に社長就任して以降、山形という土地に合った中古車販売店のあり方を模索してきたと続けます。
「社長に就任したのが2004年で、沿革を見ていただくと分かる通り、2013年まで会社のこれといった大きな動きはありません。 お恥ずかしい話ですが、振り返ってみれば何をすればいいのかよく分かっていなかったのだと思います。大きな転機になったのは、中小企業家同友会に参加させていただくようになったことです。2013年に『にこっと車検』をリリースすることができて、その頃から会社のあるべき姿について考えられるようになってきました」
山形に育てられた会社だから、山形のために
カーサービス山形のあるべき姿は、クルマを通して山形の地域発展に貢献することだと言う小川さん。そしてカーサービス山形はその後、個人向けカーリース「にこっと乗るだけ7」をリリースすると、くつろげる空間を意識した「CASA DOLCE 天童店」、軽自動車専門店「K-Field山形南店」と、中古車店の既存イメージにとらわれない新店をオープン。 山形花笠まつりには2014年から毎年参加し、県内のプロスポーツなどにも積極的に協賛するなど、それらの活動は全て山形を少しでも元気にしたいという思いからだと小川さんは言います。
山形花笠まつりへ参加した際の様子
くつろぎの店内が特長の「CASA DOLCE 天童店」(左)と、軽自動車を専門に扱う「K-Field山形南店」(右)
くつろぎの店内が特長の「CASA DOLCE 天童店」(1枚目)と、軽自動車を専門に扱う「K-Field山形南店」(2枚目)
「当社はクルマを通して地域発展に貢献することを創業当時から掲げています。世の中では新車価格が右肩上がりを続け、タイヤなどの消耗品もどんどん高額になっています。ですがクルマは山形で生活するために必須のツールですから、個人向けリースの『にこっと乗るだけ7』で家計の負担を軽くし、クルマが必要な全ての方にお届けできることを目指しました。また、より来ていただきやすい店舗づくりとして、さまざまなお店をオープンさせてきました」
「地域貢献という部分では、お客様はもちろん、当社従業員の満足度を上げていくことも含まれていると私は考えています。これらは社内にお客様満足度(CS)向上委員会・従業員満足度(ES)向上委員会・カイゼン委員会の3つを設け、社員の皆さんに自律型で取り組んでもらっています」
カーサービス山形では地域の支援団体と協力したフードドライブや自治体へカーブミラーの寄附など、委員会から発案されたSDGsにもつながるさまざまな活動を次々に実施しています。社長である小川さんは自らを「盛り上げ役」としながらも、これらの委員会活動には確かな手応えを感じていました。
カーサービス山形のこれから
2023年には過去最高の売上高を達成するなど順調に成長してきた同社ですが、小川さんは社長就任からこれまでを振り返りながら、将来への展望も語ってくれました。
「社長としてのこれまでを振り返ると、やはり中小企業家同友会に参加するようになったことは大きな転機だったと感じます。それまでの私は会社のことを全く分かっていませんでした。同友会で経営指針づくりを学んだことで社員の意見を採り入れられる会社になるために努力してきましたし、働きがいを感じて仕事をしてもらうことがお客様満足にもつながってきたと思います。これからも会社を続けていきながら、地域の人たちを幸せにできる会社になっていきたいと思いますし、社員の皆さんがここで働いて幸せだったと言ってもらえるような会社づくりをしていきたいです」
車社会である山形でのカーライフを支えながら、社員も含め山形で暮らす全ての人への貢献を誓う小川さんとカーサービス山形。創業から45年を数える老舗企業、しっかりと明るい未来を見据えています。
プロフィール
株式会社カーサービス山形代表取締役 小川大輔さん
1973年山形市生まれ、山形商業高校卒業後、仙台の日産系ディーラーに就職し1995年カーサービス山形入社。中古車の仕入れ担当として全国を飛び回る日々を送る。
2004年に現職となり、2013年山形県中小企業家同友会に入会し翌年の2014年から経営指針書を作成し社内公開。経営理念を基に全社一丸で経営に取り組んでいる。