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2024.01.17

卵屋さんが届ける卵たっぷりのバウムクーヘン。木の年輪のようにしあわせの輪を重ねる場所へ

高擶テラス

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2023年11月17日に天童市高擶(たかだま)にバウムクーヘンのお店「高擶テラス」がオープンしました。あの、半熟くんせいたまご「スモッち」で有名な株式会社半澤鶏卵(代表取締役社長 半澤清彦さん)による、「いではCOCCO」に続く2店舗目の直営店です。卵屋さんが手がけるバウムクーヘンに期待を膨らませつつ、山形会議がお邪魔しました。

お菓子を思わせる色や柔らかさをイメージして作られた店舗外観

お菓子を思わせる色や柔らかさをイメージして作られた店舗外観

店舗ロゴ、商品パッケージ、ショッピングバッグは東北芸術工科大学グラフィック学科の学生さんが手がけました。店舗ロゴは「高擶」の街並みをテーマに、高擶の「擶」や、高擶地区の地形からフォルムから着想したもの。山形県の形にも似ていますよね!

店舗ロゴ、商品パッケージ、ショッピングバッグは東北芸術工科大学グラフィック学科の学生さんが手がけました。店舗ロゴは「高擶」の街並みをテーマに、高擶の「擶」や、高擶地区の地形からフォルムから着想したもの。山形県の形にも似ていますよね!

卵の味を感じてほしい。食感も味わいも違う、2 種類のバウムクーヘン

お店に到着するとまず目を引くのが外観。まさにバウムクーヘンです!可愛らしくて、なんだかおいしそう。建物自体が“看板”となっています。

主軸となるバウムクーヘンには、半澤鶏卵自慢の卵がたっぷりとぜいたくに使われています。その卵も国内に約0.19%しかいない平飼いの純国産鶏種が産む卵「高擶」というこだわり。このバウムクーヘン「萌芽(ほうが)」はソフトタイプ・ハードタイプの 2 種類があります。

バウムクーヘン「萌芽(ほうが)」。バウムクーヘンが木の年輪のたとえであることから、「草木が芽を出すこと」、「物事の起ころうとするしるし」を意味する名称に。(左)ハードタイプ ホール箱入(税込1,944円)、(右)ソフトタイプ ホール箱入(税込1,728円)(以下、すべて2024年1月現在の価格です) バウムクーヘン「萌芽(ほうが)」。バウムクーヘンが木の年輪のたとえであることから、「草木が芽を出すこと」、「物事の起ころうとするしるし」を意味する名称に。(左)ハードタイプ ホール箱入(税込1,944円)、(右)ソフトタイプ ホール箱入(税込1,728円)(以下、すべて2024年1月現在の価格です)

バウムクーヘン「萌芽(ほうが)」。バウムクーヘンが木の年輪のたとえであることから、「草木が芽を出すこと」、「物事の起ころうとするしるし」を意味する名称に。(左)ハードタイプ ホール箱入(税込1,944円)、(右)ソフトタイプ ホール箱入(税込1,728円)(以下、すべて2024年1月現在の価格です)

「私たちの商品のストーリーはすべて“卵”からはじまります。卵を産んでくれる鶏へのありがたみも大切にしたいです」と話すのはプロジェクトリーダーでパティシエの設樂潤平さん。半澤社長のご子息 半澤清哉さんの小学校から中学校時代の同級生なんだとか

「私たちの商品のストーリーはすべて“卵”からはじまります。卵を産んでくれる鶏へのありがたみも大切にしたいです」と話すのはプロジェクトリーダーでパティシエの設樂潤平さん。半澤社長のご子息 半澤清哉さんの小学校から中学校時代の同級生なんだとか

「バウムクーヘンは卵の味がダイレクトに伝わるといわれ、バウムクーヘン=卵の味ともいわれています。卵の鮮度にもこだわっているので、一番おいしく食べていただける期間として、通常よりは短いのですが賞味期限を1週間に設定しています」とプロジェクトリーダーの設樂さん。「山形県産はえぬきの米粉を使い、小麦粉だけでは出せない、ふわふわだけでないしっとりとした食感」を大切にしているのだそう。

生地の配合や焼き方にもこだわりが。「ソフトは卵を泡立ててふわふわな状態かつしっとり感が出るように材料の配合を調整。生地が焼けるか焼けないかというちょうど良いところまで高温で短時間、焼き上げます。ハードはソフトよりも泡立てずに、ちょっと重たい粘度のある生地になるように配合。生地を直火ではなく、低温の遠赤外線でじっくり火を通すように長時間焼くことで、ねっちりもっちりとした独特の食感を生み出しています」

ふわっと&しっとり、そしてたまご感のソフト(左)、クリスピーな食感と口の中で味わいが広がっていくハード(右)。みなさんはどちらが好みか、ぜひ食べ比べてほしいです

ふわっと&しっとり、そしてたまご感のソフト(左)、クリスピーな食感と口の中で味わいが広がっていくハード(右)。みなさんはどちらが好みか、ぜひ食べ比べてほしいです

「“卵”を一番に推しているのがソフト。卵の味をダイレクトに感じることができます。卵や米粉、バウムの香り…噛みしめるごとにいろんな味わいが広がってくるのがハード。シンプルにお菓子が食べたいときはソフト、コーヒーやお酒とも合うのがハードと、シーンによって選んでいただけたら」と設樂さんが話してくださいました。

ショーケースに並ぶバウムクーヘンのケーキ。キラキラなケーキに思わず目も輝きます

ショーケースに並ぶバウムクーヘンのケーキ。キラキラなケーキに思わず目も輝きます

バウムクーヘンのケーキ(イートイン価格 ブリュレ 税込495円・いちごのビジュー 税込935円など)はオリジナルのブランド卵「高擶」を使ったカスタードクリームや、山形県産の苺「サマーティアラ」、金山町のピーナッツのペーストで作ったムースを使用するなど、素材はすべて“山形”や“卵”につながりのあるものばかり

バウムクーヘンのケーキ(イートイン価格 ブリュレ 税込495円・いちごのビジュー 税込935円など)はオリジナルのブランド卵「高擶」を使ったカスタードクリームや、山形県産の苺「サマーティアラ」、金山町のピーナッツのペーストで作ったムースを使用するなど、素材はすべて“山形”や“卵”につながりのあるものばかり

食材ができるまでの背景を知り、その想いまで詰め込んだジェラート

お店のもう一つの主軸となるのがジェラートなのだそう。こちらのショーケースもとても目を引きます。卵を一番多く使用しているカスタードジェラートのほか、高畠町のゴマ、長井市の「馬のかみしめ(山形の枝豆の在来種)」、舟形町のラズベリーなど素材に“地域”のものを使っているのが特徴。これは「地域の食と農でしあわせの輪を広げる」というお店のコンセプトをまさに体現したものです。

ジェラートに使われているのは、設樂さんが各地に足を運び、実際に農家さんとお話をして、どうやってできているのか、どういう想いで育んできたのかをうかがった上で厳選した食材。「私たち製造する側の人間も、生産者さんが大切に育てた食材へのありがたみを感じ、それをお客さまにご提供することを心がけています」

季節によってさまざまなフレーバーが並ぶジェラートのショーケース。目移りしちゃいますね

季節によってさまざまなフレーバーが並ぶジェラートのショーケース。目移りしちゃいますね

かつて城下町だった高擶地区。高擶城本丸の地名を冠した「楯之内ジェラート」は、シングル(税込450円)、ダブル(税込500円)(写真提供:高擶テラス)

かつて城下町だった高擶地区。高擶城本丸の地名を冠した「楯之内ジェラート」は、シングル(税込450円)、ダブル(税込500円)(写真提供:高擶テラス)

こだわりは、やっぱり卵。いずれは、ここが地域の発信の場となることを願って

高擶テラスの所在地である天童市高擶地区は、半澤鶏卵のルーツとなる場所。先代が1960年(昭和35年)にこの地で500羽ほどの鶏を飼い始めたことが半澤鶏卵の原点だといいます。

「ここ高擶の風景を見てみますと昔とはずいぶん変わりました。私が小さい頃は八百屋さん、魚屋さん、肉屋さん、酒屋さん、呉服屋さん、複数の軒数があったのです。今はほとんどその姿は残っていません。そんな現状を見て、この高擶の地ににぎわいの施設を、地域の人たちのためになるような施設をつくれたらと、お店を構えることになりました」と半澤さん。「それに何より、私がバウムクーヘンとアイスクリームが大好きなんですよね」と微笑みます。

「第二回やまがた広告景観コンテスト 屋外広告物実作部門」で、いではCOCCOが山形市長賞を受賞したことを教えてくださった代表取締役社長の半澤さん。きっと高擶テラスも愛される景観になりそうですね

「第二回やまがた広告景観コンテスト 屋外広告物実作部門」で、いではCOCCOが山形市長賞を受賞したことを教えてくださった代表取締役社長の半澤さん。きっと高擶テラスも愛される景観になりそうですね

お店で購入できるブランド卵「高擶」は、ビタミンEの1000倍の抗酸化作用のあるアスタキサンチンを豊富に含んでいるといいます

お店で購入できるブランド卵「高擶」は、ビタミンEの1000倍の抗酸化作用のあるアスタキサンチンを豊富に含んでいるといいます

バウムクーヘンに使用しているブランド卵「高擶」は、平飼いの純国産鶏種の卵。高擶を産む鶏は、山形の四季を感じながら自由に動き回れる環境で育ちます。

「平飼いの鶏は動きますから、ケージ飼いの鶏に比べ飼料を当社比で1.5倍ほど食べます。かなり吟味した、当社の完全オリジナルのブレンド飼料を食べて育ちますから、卵がおいしくないわけがないと私は思っています」と話す半澤さんからは、やっぱり“たまご愛”があふれています。

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バウムクーヘンやおなじみのスモッち、ブランド卵「高擶」のほか、山形県内で作られたお店おすすめの商品も並びます

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1Fと2Fのカフェスペースでは、バウムクーヘンのケーキ、ジェラート、ドリンクが味わえます。自分へのごほうびに、ファミリーや友人と♪

「現在は、新たにイタリアンのシェフを招き入れて、カルボナーラ、ナポリタン、ミートソースという基本的でありながら本格的なパスタを3種類程提供しています。いずれも卵にこだわったパスタです。将来的には、このランチを強化していきたい」という半澤さん。今後について、次のように話してくださいました。

「今後は軽トラを並べて地元の農産物を販売できる“軽トラ市”のようなものができたらいいですね。高擶テラスは一企業のお店ではなく、地域の皆さんも参加できる体験型の商業施設として新しい発信をする場所と考えています。地元の人たちに愛される施設にしていきたいです」

高擶の地名はその昔「高楡」とも書いたといわれ、「楡(ニレ)」の木に由来するといいます。そうした経緯から高擶テラスのお庭にはニレの木が。ニレの木は成長すると大きな傘のような形になります。夏には日陰となったり、雨の日には雨宿りできたり。その傘のもとに人が集まりますようにと植えられたシンボルツリー。高擶テラスが地元の人々の集いの場となり、にぎわいが生まれるー。そんな風景が思い描けるような気がしました。

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高擶テラス

山形県天童市大字長岡1624-1

https://hanzawakeiran.co.jp/

いではCOCCO

https://idehacoc.co/
外観

この記事を書いた人
そらいろかいぎさん

Profile 山形会議のキュレーター。寒河江市出身。マイペースそうに見えるが、どうやら見えないところで人並に緊張しているポーカーフェイス。某ネズミのキャラに似ているとの声も。
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